インボイスが発行できるようになると、どういうことが発生するのでしょうか?
納品先から歓迎されるインボイスを取得したことを納品先に知らせます。
納品先が消費税課税事業者であった場合、仕入れ消費税が引けるので歓迎されると思います。
受け取り消費税から支払消費税を差し引けるので、支払消費税が少なくなるからです。
ここでよく考えておきたいのは、自分からみてお客様が課税事業者の場合にのみに必要だということです。
お客様が消費税の免税事業者の場合はインボイスは必要ありません。
またお客様が消費税の簡易課税を選択されている場合も必要ありません。
消費税を納めることになる
消費税の課税事業者になるので、消費税の確定申告をして、消費税を納めることになります。
消費税の計算
消費税の計算方式はふたつあります。
ポイントは仕入れ消費税の計算です。
1)一般課税 仕入れ税額から算出する方式
2)簡易課税 みなし仕入を使う方法
1)の計算方法は、売り上げ消費税ー仕入れ消費税
でこれが正式な計算方法です。
注意したいのは、仕入れ消費税には経費で支払った消費税もふくまれますが、消費税がついていない経費があります。
たとえば給料とか家賃がそれにあたると思います。
あくまでも支払った消費税が対象になるので注意が必要です。
売上高が基準となるので、8%と10%の消費税をわけて売上高の集計する必要があります。
2)の簡易課税方式は、売上高に「みなし仕入れ率」をかけて仕入れ額を算出する方法です。
それぞれの計算方法は税務署のサイトを参考にしていただくとして、ここでは仮に簡易課税で計算するとどれくらいの消費税が発生するかを考えてみます。
みなし仕入れ額の計算
ここでおおざっぱなみなし仕入率について見てみましょう。
第一種事業 卸売業 90%
第二種事業 小売業、農業(飲食料品) 80%
第三種事業 製造業、農業(飲食料品以外)70%
となっています。
今回は第三種の製造業を使いました。
簡易課税の計算
ためしにここに年間売上が300万円の事業があったとします。
そして事業の内容は製造業とします。
どの程度の消費税を納めなければならないかを試算してみましょう。
簡易課税では製造業のみなし消費税率は70%となっています。
計算式は
売り上げ消費税×みなし仕入れ率=仕入れ消費税
売り上げ消費税-みなし消費税=納付消費税
となっています。
売上高から消費税を抜いた金額
300万×100÷110%=272.7万
上の金額にかかる国の消費税
272.7万×7.8%=21.2万
仕入れにかかる消費税額(みなし税率70%)
21.2万×70%=14.8万
差し引き国の消費税額
21.2万ー14.8万=6.4万
地方消費税額
6.4万×22÷78=1.8万
国と地方の合計消費税額
6.4万+1.8万=8.2万
この8.2万が消費税として納める金額です。
結論
端数を省いたおおざっぱな計算ですが、だいたいの金額はつかめると思います。
単純に言えばいままでの収入より8.2万、収入が少なくなるということです。
この金額がいまの状況から考えてどの程度の負担になるかをよく考えなければなりません。
そのほかに、それ相当の手間と時間がかかります。
またこの例では仕入れみなし率70%を使いましたが、もっと割合の低いものもあります。
低いほど消費税は高くなります。
ご自身の業種に当てはめてお考え下さい。
ある程度の消費税の金額をつかむことと、どれだけの作業が必要かということがわかればと思って投稿しました。