退職後の菜園入門 家庭菜園の栽培日記

初心者の方へ 野菜の育て方 ヒントとポイント

個人事業 野菜販売のインボイス

消費税免税事業者として野菜を納品している個人の方を想定して書かせていただきます。

インボイスとは消費税に関する請求書の仕組みです。

たとえばこんな図式になっているとします。
お客様ー得意先会社ー私商店ー内職さん

得意先会社はスーパーあるいは八百屋さんを想定しています。

私商店はいまの私のいるところです。

内職さんは野菜の選別、包装などを外部にお願いしているとします。社内ならばパートさんで給料になるので、話はすこし違ってきます。

話は得意先会社からはじまります。
得意先会社は消費税課税業者で大きな会社です。
この会社がお客様に1000円の商品を消費税100円をつけて販売します。

この段階でこの会社は消費税を100円納付することになります。
しかし私商店から仕入れしたときに支払った消費税を差し引くことができます。
仕入れは500円プラス消費税50円でした。

得意先企業はお客様から預かった100円の消費税から仕入れのときに支払った50円を差し引いて支払えばいいことになっています。

つまり100円ー50円=50円 が税務署に収める消費税です。

ここからインボイスによって変わります。

2023/10/1から仕入れについてくる消費税はインボイスがついていなければ認められないということになります。
つまり
100円ー50円の、この50円は税務署に認められているか?ということが問題になります。

私商店は事業届をして確定申告はしているものの、年間100万円の売り上げなので消費税の確定申告はしていません。消費税免税業者です。

ここが重要です

得意先会社は私商店にインボイスをとるように求めてきます。
そうしないと100円の消費税から50円を引けないので100円まるまる消費税として納めることになるからです。


私商店の対応

私商店としては得意先会社の要望もありインボイスを取得することになります。
つまり、消費税課税事業者になります。
得意先会社から受け取った50円の消費税を支払うことになります。
しかし得意先会社と同じように支払った消費税を差し引くことができます。
50円から内職さんに支払った100円の内職賃につく10円の消費税を差し引くことができます。

ここからが問題です

内職さんは年間50万円の年金で生活しています。
内職としての収入は年間5万円です。
事業届もしていないし、もちろん確定申告もしていません。
すでに70歳の年金受給者です。

この方にインボイスをお願いします、とはなかなか言えません。
やむを得ず私商店は内職さんの消費税10円は差し引かずに50円の消費税を支払うことになります。

私商店の今後

いままで支払っていなかったとはいえ、新たな消費税という出費が発生する上に内職さんへの支払消費税も差し引きができずに全額負担となってしまいます。

1)得意先会社へ免税事業のままを認めていただく
得意先会社は仕入れ時に支払った消費税を引けなくなります。自社負担になります。
他にはない特別な商品あるいは技術があれば可能かもしれません。

2)得意先会社へ値上げをお願いする。
これもある程度の商品への自信がなければ難しいかもしれません。

3)インボイスの取得をやめてほかの納入先を探す。
どの納入先も同じ状況だと思います。

4)事業を廃業する。
年令、お金の事情、先行きなどを考えて廃業する方が増えるかもしれません。

ほかにもたくさんあると思いますが、こんな対応をすることになると思います。
どちらにしても私商店としては大きな決断をしなければならない時期に直面することになります。

インボイスについての大きな流れをかかせていただきました。
単位が小さいのでピンとこないかもしれません。
数字を十倍ていどに拡大してお考えいただくとわかりやすいかもしれません。

簡易消費税とかまだまだいろんなことがこの中には含まれています。

大きな流れをとらえて、自分がいまどの位置にいるのかを確認してこれからのことに対処することになるとおもいます。