一般課税と簡易課税
インボイスを取り入れるか免税業者のままでいるかということは大きな問題です。
やむを得ず課税事業者になる場合、一般課税と簡易課税の二通りの計算方法があります。
簡易課税については前回投稿したので、今回は一般課税での計算を考えてみます。
この消費税の計算にはいくつかの分岐点があります。
すべての計算方法を考えると複雑になるので今回はルートを一本に絞って考えてみることにします。
基本的な消費税の計算のしくみ
国税は次の式によって算出されます。
1)国税 = 売上消費税 ー 仕入消費税
そしてこの国税から地方消費税を計算します。
2)地方税 = 国税 × 地方税率
このふたつを合算したものが納付税額です。
3)納付額 = 国税 + 地方税
売上消費税の計算
税込売上 × 6.24 ÷ 108 とします。
売上消費税が8%の場合、税込売上を108で割って消費税を除いた金額を出して、それに国の税金分6.24をかけます。
消費税が10%のときは
税込売上 × 7.8 ÷ 110 とします。
仕入消費税の計算
税込仕入 × 7.8 ÷ 110 です。
110で割ることによって税抜きの金額を出し、7.8を掛けて国税を算出します。
税率が8%のときは
税込仕入 × 6.24 ÷ 108 です。
地方消費税の計算
国税 × 22 ÷ 78 です。
具体的な計算方法
計算の条件は
1)売上高は消費税こみで100万円とします。
2)売り上げに対する消費税は8%とします。
3)仕入額は50万円で、消費税は10%とします。
いくつかの計算方法がありますが、ややこしくなりますのでほかの方法は無視して、ひとつの計算だけで考えてみたいと思います。
売上消費税の計算
税込み売上高100万円 × 6.24 ÷ 108
という計算になります。
108で割って消費税をつけない売上高を出し、6.24を掛けて国の消費税を計算しています。
100万 × 6.24 ÷ 108 = 5.77万
これが売り上げの消費税です。
仕入消費税の計算
50万 × 7.8 ÷ 110 = 3.54万
とういう計算になります。
もしここの仕入金額が70万とすると
70万 × 7.8 ÷ 110 = 4.96万
と仕入額が大きくなるので、下の国の消費税の計算も変わってきます。
納付税額は少なくなります。
国の消費税の計算
売上消費税 ー 仕入消費税 なので
5.77 ー 3.54 = 2.23万
となります。
地方消費税の計算
国税 × 22 ÷ 78 なので
2.23 × 22 ÷ 78 = 0.62万
となります。
納付税額
ということになります。
一般課税と簡易課税のどちらをとるか?
注意が必要なのは、簡易課税にした場合は二年間は一般課税には戻れないことです。
おおざっぱにどの程度の金額になるかということを書かせていただきました。